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第700話
待ちに待った二人の時間。
彼の国での辛い出来事も、会えなかった年月 も、頭の中をスライドのようにすり抜けていく。
そんなマイナスの感情を全否定するかのように、目の前には少し潤んだ瞳で見つめる、最愛の伴侶がいる。
ちゅ
と、リップ音をワザと響かせて
「斗真、愛してる。」
そう言ってまた唇に吸い付いた。
俺の首に回される腕に力が込もる。
無言の意思表示。
ハナレナイデ
ハナサナイデ
俺も、斗真の後頭部に添えた手に、腰に回した腕に、更に力を込めた。
じゅくじゅくと滑った音が部屋に響いている。
縺 れ合いながら、ベッドルームへと雪崩れ込んだ。
その時にはもう自制が効かなくって、お互いの着ている物を剥ぎ取るように脱がせ合い、はぁはぁと荒い息遣いで見つめ合っていた。
斗真をそっと横たえ、覆い被さるように包み抱きしめる。
とくとくとくとく
いつもよりも早い鼓動が、斗真の熱と一緒に身体に染み込んでくる。
俺のも…斗真に流れ込んでいるはずだ。
両頬を固定し、またキスを繰り返す。
口の中が乾いて唾液も出なくなるほどに吸い付いて嬲り合う。
息を荒げながら唇から離れ、大きく動く喉仏に食らいついた。
じゅっ
力を込めてキスマークを残してやる。
誰から見ても分かる愛の印。
掠れた声で斗真が抗議する。
「…ばか…どこに付けてるんだよ…そこ、見えるじゃないか…」
「休みの間だけだから。すぐ薄くなるよ。
…斗真も、俺に付けて。お前の所有物だ、って。」
無言の斗真の腕が伸びてきた。首を引き寄せられ、喉にピリッとした甘痒さが広がる。
「…あんま上手じゃないけど…」
そう呟く斗真の顔は真っ赤で、色っぽくて…
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