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第701話

「その顔、反則。」 「何言って、んむっ」 唇が腫れ上がりそうなくらいに啄ばみ、食み、舐めまくる。 俺は斗真の顔や肩をその輪郭を確かめるようにゆっくりと触りながら、そして次第に、特に感じる耳の後ろとへその周りに両手を移動させて、丁寧過ぎるほどに弄っていた。 唇からも一旦離れ、その二カ所の性感帯を順番に舐めながら、責め立てていく。 「…んっ、希っ、そこ、止めっ…あっ」 顔や身体を捩りながら、斗真は耳まで真っ赤になり震え始めた。 いいんだろ? もっと声を出せよ。 キモチイイ、そこ好き、って。 直接アソコに触るのもいいけど、耳の後ろとヘソの周りも好きだろ? お前の気持ちイイとこなんて、俺にはお見通しなんだぞ。 何度お前を抱いてイかせたと思ってるんだ? どこをどうすれば甘い声で啼いてくれるのか、知り尽くしているんだからな。 こもる熱気に、じわりと汗が滲み始めた。 外は雪が降り出しそうな気温だというのに、適温に保たれた部屋で、俺達は生まれたままの姿を晒していた。 「….くっ…のぞ、み…止め…っ」 斗真は… 言葉では『止めて』と哀願するが、素直に身体をビクつかせ、俺を拒否することなく受け入れている。 妙に色気の増したその身体は、薄っすらと朱を纏い、俺の理性を根こそぎ攫っていく。 「…くうっ…希っ…やあっ…んっ」 「『や』じゃないだろ?嫌ならもう触ってやらないぞ。 …ここ…気持ち良いよな?」 舌先でべろりとヘソを舐めた瞬間、ぐるりと視界が反転し、気が付いたら斗真にマウントを取られていた。 斗真が反撃に出たのだ。 「お前ばっかりに好きにさせないよ。」 俺を見下ろす斗真は、完全に雄の顔だった。

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