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第705話
迫り来る絶頂感。
愛する斗真のぐちゃぐちゃの泣き顔。
あらゆる思いを込めて、思い切り腰を引いて突き刺した。
肉筒を抉り進み、ぐりゅ と入り込んだ腸壁の奥は狭く、温かかった。
「あああっ」
「くうっ」
ほぼ同時に達した俺達は、互いの吐き出す熱の熱さに悶えながら、抱き合っていた。
どっどっどっどっ
物凄い速さで心臓が走っている。
斗真は俺に覆い被さるように、ぐったりと身体を預けてきた。
はぁはぁと猛ダッシュを繰り返したような荒い息と、じっとりと湿り気を帯びた肌をぴったりと寄せ合い、あまりの気持ち良さにしばらくは動けなかった。
少しずつ少しずつ熱が引いていく。
「斗真…斗真、大丈夫か?」
頭を撫でながら聞くが、返事はない。
ヤバい、抱き潰したか?
まだ斗真の中に入ったまま、ゆっくりとその身を横たえた。
意思のない身体は重い。
頭を打つけないように気を遣いながら寝かせ、力を失った俺自身を抜き出すと、ごぷっ という音とともに、大量の白濁液が流れ落ちた。
「とーま…」
名前を呼びながら、涙の跡が残る目元や頬を撫でた。
斗真はぴくりとも動かない。
ただ、規則正しい胸の動きが、斗真の命を伝えていた。
「斗真、潰してごめんな。愛してるよ。」
返事のない唇にそっとキスを落とし、もう一度その身体を抱きしめる。
あんなに熱かった肌は、すっかり冷えてしまっていた。
風邪でも引いたら大変だ。
早く始末してやらないと。
エアコンの温度を少し上げ、粗方ティッシュで汚れを拭き取ると、布団を掛けてやった。
熱いお湯とタオルを取りに部屋を出た途端に、寒くて身震いした。
ふと窓の外を見ると、寒いはずだ、ちらちらと雪が舞っていた。
リビングのエアコンも温度を上げ、準備をすると急いでベッドルームへと戻った。
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