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第717話
胸の内から湧き上がる斗真への思いと、欲を口内に吐き出した体的な満足感と満たされた征服欲に、俺は息を荒げ斗真を見つめて、頭に手を置いたまま暫し茫然としていた。
同じく息を荒げた斗真が、口元を拭いながらゆっくりと身体を起こし、俺の顔を真正面から見つめていた。
「斗真…無茶しやがって…」
腕を取り引き寄せ、しっとりと汗で湿った身体を抱きしめた。
ぽすん と俺に身体を預けてきた斗真は、くふん と笑うと
「だって、俺がそうしたかったから。」
とささやいた。
「…ばか…美味いモンじゃないだろ?
水持ってくるから、待ってろ。」
ちゅ、とキスをすると、青臭い匂いと苦味が広がった。
自分の…味…うえっ、斗真のモノなら平気なのに。
ペットボトルのキャップを捻り、斗真に手渡してやった。
サンキュ、と受け取った斗真は、三分の一くらい飲んで大きく息を吐いた。
言いようのない愛おしさが溢れて、ベッドに駆け上がると背後から抱きしめた。
「…希、どうした?」
頭を犬のようにワシワシと撫でられる。
「お前が愛おしくって、かわいくって…堪らないんだ。
こんな思いが溢れ出して止まらないんだよ。
…責任取れよな。」
くっくっ とおかしそうに笑った斗真は
「『責任』?もう、とっくの昔に取ってるだろ。
一発抜いてやったから、落ち着いていちゃいちゃできるから…
お前、背中寒くないのか?布団に潜るか?」
「そんなことまで気にしてくれるのか?
…そうだな。年明け早々風邪引いたら洒落にならないから。
毛布取ってくる。」
斗真の頸にキスをして、猛ダッシュでクローゼットから毛布を取って来るとそれを被り、いそいそとまた背中から抱きしめた。
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