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第718話

抱え込むと、じんわりと斗真の体温が移ってくる。 まだ若干硬さを保ったままの俺自身は、密着した斗真の尾骶骨で潰されて、脈を打っている。 気になるのか、斗真はもぞもぞと身を捩ってソレが当たる面積を(せば)めようとしていたが、俺がぐいぐい押し付けるので諦めたのか、隙間のない程の拘束を許してくれた。 俺は顎を斗真の右肩に乗せ、斗真は俺にくったりと身体を預けて…お互いに寄り掛かった体勢になっていた。 「希…あったかい…」 「うん。あったかくて、気持ちイイな。」 「うん。気持ちイイ…背中全体にカイロ貼ってるみたいだ。」 「背中だけじゃないだろ?」 ごりごりと斗真の尻に腰を擦り付けると 「このスケベ親父め!」 と罵られた。 「ごめん、ごめん。悪かったって。」 叱られない程度に…腰を元の位置に戻した。 でも…斗真、耳まで真っ赤になって…かわいいぞ! あまり揶揄うと拗ねて相手をしてくれなくなるから、程々にしておこう。 「とーま♡」 「何だよ…エロ魔人。」 「『エロ魔人』って…酷くない? 言っとくけど、斗真限定だからね。 斗真しか こんなにならないし、斗真だけに欲情するんだからね。」 「…分かってるって…ばか希。」 「ふふっ。とーま♡」 「うるさい。」 肩先や首筋に、かぷかぷと甘噛みして歯型を柔くつける。 「もう…何やってんの…痛いだろ? 首は見えるから止めろってば。 お前は犬かっ。 Stay(ステイ=待て)!」 「…俺はgood boy(いいこ)だから、躾は必要ないんだぜ。 さっきのお礼にワンコな俺は、斗真を舐め尽くそうかな。」 斗真は俺から少し距離を取り、目を見開いて 「…希…今日はスローの日だろ? エッチなことは、後のお楽しみで…な?」 とビビっていた。

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