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第722話
side:斗真
思い切り捻ったシャワーの飛沫を浴びての賢者タイム。
あー、バカバカバカっ!
俺のバカっ!
何で思ったこと言っちゃうんだよっ!
思い出しただけでも恥ずかしい。
あんなこと言ったら、希が大興奮で収拾がつかなくなるに決まってるじゃん!
恥ずかしくて思わず放ったらかしにしてきたけど…正月早々こんな諍 いみたいなのは嫌だ。
甘えて希のやりたいようにしてやれば良かったのかな。
このままじゃダメだ。
落ち込むアイツを見たくない。
希のことだ…俺を揶揄って怒らせたことで、きっと一人でいじけて落ち込んで、泣きそうになってるに違いない。
…仕方ない、俺が折れるか…
バスルームのドアを開けて叫んだ。
のぞーみぃーっ!!!
あれ?聞こえてないのか?
もう一回…息を大きく吸い込んで…
のーーーぞーーーみぃーーーっ!!!
バァーーン とドアを打ち開ける音と共に、血相を変えた希が飛び込んできた。
「斗真っ、どうしたっ!?具合でも悪いのかっ!?」
来た来た来た!
「お前も入れ。」
「ふえっ!?」
「聞こえなかったのか?『お前も入れ』」
「えっ…でも、斗真…」
希は…風呂も“一人で入る”と出て行き怒っているはずの俺が、希を呼んで一緒に入れと命令していることにかなり戸惑っていた。
希の着ているバスローブは、既にずぶ濡れになっていた。
戸惑う希のそれを脱がすと、水分を含んでべチャリと落ちた。
「斗真…」
黙って肩から熱いシャワーを流してやり、手を引いて湯船に浸かると、背中を預けた。
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