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第725話
ものの数十秒で寝室に駆け込んできた希は
「とぉーまぁー!」
と叫びながら、布団に潜り込んできた。
「うわっ!冷たいっ!ばかっ!」
その冷たさに、ぞわりと全身に鳥肌が立って身震いした。
せっかく温まっていた俺の体温が全て奪われた…風呂上がりに裸のままだった希の肌は、すっかり冷たくなっていたのだ。
「寒い!離れろ!」
希は、べしべしと肩を叩き続ける俺を無視して、抱きしめる腕に力を込めてくる。
「…斗真…あったかぁい…」
甘えるような声音に何故か泣きそうになり、叩く手が緩んで…希を抱きしめ返した。
しばらくじっとしていると、触れ合うところが段々と温かく、そして熱を持ち熱くなってくる。
「ほら…あったまった…」
うれしそうな希の呟きに
「…ばか…風邪引くだろ、」
とだけ返して、触れ合う肌の愛おしさを感じていた。
もぞもぞと一頻り動くと楽なポジショニングを取り、希は俺の頬に猫のように擦り付いてきた。
「よしよし。
お前、猫…違う…豹?虎?ライオン?
ま、何でもいいや…」
頭を撫でながらそう言い、ちょっと悪戯心が芽生えて鎖骨に指を這わせると、希がぴくりと反応した。
ふふっ。
ココ、お前の感じるところだもんな。
ずいっと頭をズラして、鎖骨に沿ってゆっくりと舌を這わせてやった。
「あっ…斗真…そこっ…うっ…」
甘い声が降ってくる。
それに気を良くして希に跨り、甘噛みしたり吸い付いて痕 を残したり。
いつものお返しとばかりに、やりたい放題していると
うーーーっ
と唸り声を上げた希に抱きとめられたかと思った瞬間、天地が逆転して組み敷かれていた。
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