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第729話
昂りすぎて硬度を保ったままの希自身をそろそろ解放してやろうと、ローションを取り出した。
「…斗真、いいの?」
ヌルヌルの液体を自分の後孔に なすり付け、希のソレに纏わせながら、ちゅっ と唇にリップ音を鳴らしてささやいた。
「もう、スローじゃ我慢できないんだよ…
…早く、ソレ、くれよ。」
破顔した希が覆い被さってきた。
「斗真…斗真、斗真…」
「んっ…だから、何処にも行かないって…」
希は俺の両足を大きく開くと、怒張した楔で俺の後孔を擦り始めた。
途端に、ぞくぞくっ と甘美な痺れに襲われる。
「うっ、希…ゆっくり…ゆっくりだぞ!」
それには答えず、希は数度擦った後、つぷっ と先っぽを捩じ込んできた。
ちゅぷちゅぷと音を立て、熱い塊が中を埋めていく。
既に解されている俺の後孔は、大した抵抗もせずに、すんなりと楔を受け入れていった。
「…あぁ…気持ちイイ…このままずっと斗真に埋もれて繋がっていたい…
そんなにキュウキュウ締め付けないで…それだけでイっちゃうからっ!」
「…っつ…締めて、なんか、ないって!」
「くうっ…斗真…はあっ…」
全部を埋めた希が大きく息を吐いた。
隙間なくみっちりと俺の中に埋もれた希自身が、その存在感を示していた。
「斗真、動いても…いい?」
遠慮がちに、それでもヤル気満々の希が問い掛けてきた。
「…いいから…早く…」
甘えるように答えると、希は本当にうれしそうに微笑んで、キスをひとつくれた。
「ゆっくりスルから…俺を受け止めて…」
頬を両手で挟み見つめ合い、キスを返して頷いた。
「ゆっくりな…」
目を合わせたまま、希が少しずつ動き始めた。
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