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第735話

その後もひたすらに『』を楽しんだ俺達は、いつものように弁当や夕飯のおかず用のストックも作って冷蔵と冷凍に振り分け、翌日の新年初出社に向けて、仕事モードに戻りつつあった。 クリーニングしたばかりのスーツはビニール袋とタグを外され、出番を待っている。 またあの戦闘が始まるのか… とはいえ、初日なんて殆ど仕事じゃない仕事なんだけど。 これだけ日常と懸け離れた生活が続いてると、元に戻すのが大変だ。 「あー…これだけ長い休みだと、出社するのが嫌になる…もっと一日中斗真とグダグダしていたい…暫く休みたい…」 「俺だって行きたくねぇーよ! でも働かなくちゃ、ご飯食べれないぞ! マンションの管理費、誰が払うんだ!?」 「うーーっ、斗真ぁ…」 すりすりと身体を寄せて来る姿は、大型の猫科の猛獣だ。 喉を摩ってやると、大きな図体のくせに甘えてくる。 「頑張ったら週末、ご褒美やるから。 仕事に励めよ、チーフ!」 「ご褒美?何の?ねぇ、俺の言うこと聞いてくれるの?」 「…うーん、考えとく。でも、100%は言うこと聞かないぞ! お前、また何か変なこと仕掛けてきそうだしな。」 「変なことしない!約束する!」 途端に元気になった猛獣は、いそいそとカバンの整理をし始めた。 「希!みんなに配るお土産も忘れないようにな! ボスの分も!これ忘れようものなら、俺達冷遇されるぞ!」 馬に人参、希に週末のご褒美。 これで新年早々成績を上げてくるはず。 ダンナを手玉にとって転がし操る俺は、いいヨメ!? おかしくって、希に見えないように笑っていた。 その夜は、ここ数日間散々抱き合った反省も込めて、大人しく抱き合って眠った。 希は少々御機嫌斜めだったが…

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