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第745話
斗真は俺の顔を覗き込んで笑うと
「…じゃあ、一緒に風呂入ろうか?
ただし。エッチはなしで。」
斗真に後光が差して見えた。
「え…マジ?本当に?
一緒に入ってくれるの?
身体も洗ってくれる?
ホントに!?」
「もう一度断っておくけど…
『エッチはなしで』
これ守れるんなら一緒に入ってやる。」
俺はうれしさのあまり言葉も出ないまま、ぶんぶんと首を振って意思表示をした。
斗真は俺の頭を撫でると、二人分の着替えを取りにクローゼットへ行ってしまった。
多分、自分が言い出したことに改めて恥ずかしくなって、一人でアワアワしてるんだろうな。
かわいいぞ、斗真。
「希、下着これでいいか?」
「斗真が選んだやつなら何でもいいよ。
ありがとう。」
ちょうどアラームが鳴り、俺は斗真の手を引いて、いそいそとバスルームへ向かった。
ばさりばさりと躊躇なく着ている物を脱ぎ捨てていく。
次第に露わになる斗真のイヤラシイカラダ。
イヤラシイ目で見るのは俺だけなんだが…
知らず知らず口元が緩み、だらしない顔になっているのが自分でも分かる。
そんな俺の様子に、斗真が呆れたように言った。
「…一緒に入るのがそんなにうれしいのか?」
「当たり前じゃん!
斗真と一緒なら、俺にとっては何でもご褒美なんだよ。
ましてや、一糸纏わぬ斗真のハダカを間近で見れるなんて…痛っ!痛い!」
「希…入るの止めようか…」
「ごめんっ!ごめんなさい!
…もう、言いません…」
背中をバシバシ叩かれて涙目の俺は、ひたすらに謝る。
ここで斗真の機嫌を損ねたら、今日のご褒美がパーになってしまう!
そんなの耐えられない!
俺は、それから黙って大人しく風呂に入った。
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