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第756話

「微熱…かな。 具合悪いのに無理しやがって…お前の体調不良に気付かなかった俺も悪いんだけど。」 どうやらひとり言のようだ。 ドキドキするけど黙って聞くことにした。 「ちょっと構わなかったくらいで拗ねて、挙げ句の果てに具合を悪くするなんて。 お子ちゃまかよ。 お前、どんだけ俺のこと好きなんだよ。 …平日は、次の日のことが気になって、集中できないし、動けなくて何日も寝たきりになったら困るじゃないか。 腰をやられたら、マジで起き上がれないんだ。 分かってるだろ? 今までだって、何度も痛い目に遭ってるじゃないか。 受け入れる方はそれなりに大変なんだぞ。 でもさ、本当は俺だって…お前とイチャイチャしたい。 抱いてほしいし…抱きしめたい。 思い切り理性を吹っ飛ばして愛し合いたい。 …お前に触れていないと、あの時のことを思い出して怖くなる時もある。 けど、そんなこと言ったら、お前…また自分を責めるだろ? 希がいてくれるから俺は強くなれる。 側にいて『愛してる』って言って、抱きしめてくれるだけで、勇気が湧いてくる。 だから…立ち直ることができた。 お前が思ってる以上に、俺はお前に執着してるし甘えてるんだ。 それくらい、分かれよ。ばか。 希…愛してるよ。」 そう言って、おでこにキスをすると、また音を立てないようにそっと出て行ってしまった。 俺の心臓はバクバクと破裂しそうに跳ねて、呼吸困難になりそうだった。 今の…今のは…キタ。ヤラレタ。 完全に俺の負けだ。 何だよ…俺、メチャメチャ愛されてるじゃん! 斗真が“竹中さんに惹かれてる”なんて妄想してごめん。

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