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第762話
薄く開いた唇を舌先で抉じ開け、舌の根元から擦り上げては上顎をなぞる。
もう、どちらのものとは分からない唾液が零れ落ちて、斗真の喉まわりもべたべたになっている。
固くしこった乳首を指で捻ると、甘い吐息を漏らす斗真。
しつこいくらいに弄り、赤子のように吸い付いてしゃぶる。
先走りで濡れそぼったお互いの屹立を擦り付けると、そのもどかしさにまた勃起する。
俺の名を呼ぶ掠れた斗真の声が色っぽい。
堪らない。
愛おしさと気持ち良さが溢れて止まらない。
身体全体を擦り付けマーキングする様は、きっと側から見たら獣の交尾に見えるかもしれない。
柔らかく解れた後孔に、怒張した切っ先を捻じ込んでいく。
潤滑油の代わりはお互いの透明の液体。
すぐに俺を受け入れた斗真の中は、温かくてしっとりと俺を包み込む。
我慢できずに抽挿を始めた俺の腕を掴み、斗真が甘い声をあげ始めた。
それに煽られるように、俺の動きも大きく激しくなり、やがて呆気なく…爆ぜた。
大きく波打つ胸の動きも、滲んだ汗も、吐き出した欲望も、全てが愛に溢れている。
至らぬところも全て包んで愛してくれる、この愛おしい伴侶に、一体どうすれば俺の気持ちが全て伝わるのだろう。
愛してる
ただひたすらに愛おしい
昂ぶり過ぎて、涙腺が緩んでしまったようだ。
「…希…」
斗真が手を伸ばし、俺の頬の涙を拭い取った。
「届いてる。
お前の思いは全部、俺に届いてる。
だから、もう、泣くな。」
柔らかな微笑みは、もう涙で滲んで見えない。
斗真は俺の頭を胸に抱え込んで抱きしめてくれていた。
俺は優しく抱きしめられたまま、子供のように声を上げて泣いた。
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