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第776話

子供みたいに斗真に縋り付いて、愛おしげに撫でられて。 その間ずっと斗真は、愛の言葉を繰り返し繰り返し、俺にささやき続けていた。 希、愛してる お前だけだよ ほら、もっとくっ付いて そう、いい子だ 撫でてほしいところはどこ? もう、我慢しなくていいんだ ほしいものを全てあげるよ 甘えていいんだ、もっと、俺に 愛おしい 俺だけの希 何処にも行かないで俺の側にいて ずっと一緒だから 魔法の呪文のようなその言霊達が、俺の心の奥のヒビ割れた隙間をゆっくりと埋めていった。 「斗真…」 「ん?どうした?」 「…もっと…もっと……」 「よしよし。いい子だな、希。愛してるよ。」 意識が朦朧としながら、乾いた砂漠が水を吸うように、際限なく俺は斗真に甘えて強請り続けた。 そして、心がすっかり満ち足りたのを感じながら…すぅーっと穏やかな暗闇の中へと旅立っていった。 明け方、ふっと目が覚めた。 心地良い温もりに気付き、仄暗い闇に目を凝らすと、規則正しい呼吸を繰り返す斗真の胸に抱かれていた。 不思議なことに、あの不快感が全て消え去り、ほんわかと温くて癒された爽快感で胸が一杯になっていた。 「…斗真…」 小さな声で名前を呼んでみた。斗真は 「ん…」 と大きく伸びをすると ゆっくりと目を開け、ぱちぱちと数度瞬きをした。 「希…起きたのか?」 「あ…ごめん…起こすつもりなかったのに。 ごめん、寝てていいから。」 斗真は黙って俺を抱き寄せ、そっとキスをしてきた。 「希…お前を愛したくなった。 エッチ解禁…して?」 「えっ…してもいいの?」 「俺がしたいんだ。早く俺の中にきて。」 ゴクリと生唾を飲み込んだ。その音が部屋に響く。 斗真に密着していた俺自身が硬度を増し、それに気付いた斗真がクスリと笑った。

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