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第781話

水上は、ムッとした俺に 「だーかーらー。悪かったって。 ほら、コーヒーでも奢るから機嫌直せよ。な? チーフー!ちょっと遠藤借りて行きまーす!」 背後から俺の両肩をぐいぐい押して、無理矢理部屋から出してしまった。 食堂の一番端の席に座わるように言われた。 その通りにしてやって『コーヒーはいらないからココアにしろ』と言い捨てて、持って来させた。 「…何だよぉ、もう。」 「だから、悪かったって。」 「…で?本当は俺に何の用?」 「お前、鋭いな。」 「…お前がこうやって絡んでくる時には、ロクなことがないんだよ! 関わり合いたくないから、俺はもう行くぞ!」 「待ってくれよぉ〜!話だけでも聞いてよ! 五分でいいからさ…」 両手で拝み倒されて、立ちかけた腰を下ろし渋々座り直した。 「流石遠藤斗真様!ありがたや、ありがたや… やっぱりお前しかいないっ!」 「…煽てても、聞くだけだからな!聞くだけっ!」 「はいっ! …実はさ、今、家を追い出されてんだわ。」 「はあっ?新年早々?何で?」 水上は小声で 「…浮気がバレました。」 俺は眉をひそめて、目の前のバカ男を見つめた。 浮気?マズいじゃん、それ。 俺は立て続けに問いただした。 「いつバレたの?嫁さん、どうしてんの? 相手、誰?本気?遊び?」 「年末休暇に入った途端に。 机の上に携帯出しっ放しにしてトイレに行ってる隙にさ。 偶々そこにラ◯ンが入ってきちゃったんだよ。 『すぐに会いたーい♡いつ会える?』 って。 お前も知ってるだろ?受付のマリちゃん。右側のカワイイ子。 10月くらいにモーション掛けられてさ、それから… 嫁はもう口も聞いてくれなくって、俺の荷物キャリーケースに詰め込んで、放り出されたんだよ。 行くとこなくてネカフェにいる。」

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