796 / 1000
第796話
顔を見合わせて噴き出した。
「やばっ…口に含んでなくて良かったよ。
シミになったらコーヒーは取れないからな。」
「高給取りは希、お前だろ?
本当に、もう。」
「あー、斗真、ご機嫌直して!ね?ね?」
ちゅちゅ と頬にキスする希がウザかったが、満更でもなく、沢山キスさせてやった。
ふと、光る画面が目について手を伸ばすと…
「げっ、希…これ…」
「うわぁ…ストーカー…」
見ると着歴が…エライことになっていた。
「一体何なんだ??
泊まることがないなら、ビジネスでもカプセルでも、満喫でもあるじゃないか!
実際満喫にいるんだろ?
ん?水上だけじゃないな…瀬川?
瀬川なら掛けてやってもいいか…
いや、待てよ。アイツが瀬川の所にいる可能性もある。
…メッセにするか…」
希はブツブツ言いながら、瀬川のラ◯ンに何か打ち込んでいた。
横からひょいっと覗くと見せてくれた。
『退社後にどうした?
何か顧客からクレームでもあったのか?』
ピコン!
すぐに既読がついた。
『チーフ!助けて下さい!
水上が家に押し掛けてきて居着いちゃって!
俺の嫁は怒って子供連れて実家に帰っちゃうし、何とかして下さいっ!』
俺と希は顔を見合わせた。
「最低。人ん家 に迷惑掛けるなんて。」
「腐った奴だな。」
『とっとと追い出せ!
荷物を外に放り出せば出て行くだろ。
水上は?』
『風呂です。』
『チャンスだ!着替え以外、全部放り出せ!』
『やってみます!』
はあっ…とため息をついた希は
「もう、救いようがない。
フォローする気もない。
のたれ死んでも知るもんか!」
「こんなにバカな奴だとは思わなかった…瀬川の家に居座るつもりだったのか…謹慎中だから、日中は奥さんと二人っきりになるのに…」
それから瀬川からの連絡は途絶えた。
ともだちにシェアしよう!