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第796話

顔を見合わせて噴き出した。 「やばっ…口に含んでなくて良かったよ。 シミになったらコーヒーは取れないからな。」 「高給取りは希、お前だろ? 本当に、もう。」 「あー、斗真、ご機嫌直して!ね?ね?」 ちゅちゅ と頬にキスする希がウザかったが、満更でもなく、沢山キスさせてやった。 ふと、光る画面が目について手を伸ばすと… 「げっ、希…これ…」 「うわぁ…ストーカー…」 見ると着歴が…エライことになっていた。 「一体何なんだ?? 泊まることがないなら、ビジネスでもカプセルでも、満喫でもあるじゃないか! 実際満喫にいるんだろ? ん?水上だけじゃないな…瀬川? 瀬川なら掛けてやってもいいか… いや、待てよ。アイツが瀬川の所にいる可能性もある。 …メッセにするか…」 希はブツブツ言いながら、瀬川のラ◯ンに何か打ち込んでいた。 横からひょいっと覗くと見せてくれた。 『退社後にどうした? 何か顧客からクレームでもあったのか?』 ピコン! すぐに既読がついた。 『チーフ!助けて下さい! 水上が家に押し掛けてきて居着いちゃって! 俺の嫁は怒って子供連れて実家に帰っちゃうし、何とかして下さいっ!』 俺と希は顔を見合わせた。 「最低。人ん()に迷惑掛けるなんて。」 「腐った奴だな。」 『とっとと追い出せ! 荷物を外に放り出せば出て行くだろ。 水上は?』 『風呂です。』 『チャンスだ!着替え以外、全部放り出せ!』 『やってみます!』 はあっ…とため息をついた希は 「もう、救いようがない。 フォローする気もない。 のたれ死んでも知るもんか!」 「こんなにバカな奴だとは思わなかった…瀬川の家に居座るつもりだったのか…謹慎中だから、日中は奥さんと二人っきりになるのに…」 それから瀬川からの連絡は途絶えた。

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