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第800話
何だろう。急用か?
慌てて開いた画面には
『無理に仕事を押し込んで悪かったな。
大丈夫か?』
確か昼は会食と言っていたが…その合間に俺を心配するメッセを送ってくれたのか。
『大丈夫。
午前の仕事は終わったから。
心配いらないよ。』
そして
『ありがとう。』
と続けて打ち込み、送信した。
すぐに既読がついて
『OK』
とだけ。
これだけでテンションが上がってくる。
午後からの仕事も何でもできそうな気分になった。
上司としても伴侶としても、最高の男。
(希、ありがとう)
心の中で呟いて、頬が緩んでくるのを止められなかった。
「お待たせ致しました!『今日のランチ:お肉セレクト』です。ごゆっくりどうぞ。」
生姜焼きのいい匂いが食欲を誘う。
無料のお代わりまで平らげて満足した俺は、食後の歯磨きも忘れず、鏡で営業スマイルをチェックしてから、颯爽と店を後にした。
「ただ今戻りましたー!…って、誰もいないか…」
ハイテンションそのままに、予定以上にサクサクと仕事をこなして、余裕綽々 帰社した。
仕事の増えた同僚達は、まだ手こずっているのか。
当然のことながら、希もまだ帰ってきてはいない。
鼻歌交じりに書類の整理をしていると、高橋が戻ってきた。
「お疲れ様です!遠藤さん流石早いですね!」
「あぁ、ちょっと気合い入れて頑張ったからな。
お前も早いじゃないか。」
「俺が受けたのは近場の一件だけですし…それにチーフにあんなラ◯ンがきたら、張り切りますよー!」
「ん?ラ◯ン?」
「はい!これ。」
そう言って差し出された画面には…
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