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第808話

斗真が出てくるまでの間に、二人分のワイシャツの襟と袖口をブラシで洗ってから、洗濯機に放り込んで他の物と一緒に回す。 スピードモードにしたから、すぐに仕上がるだろう。 ビールは…今日は飲む気分でもないな。 そうだ!アイスクリームをストックしてたんだ。 斗真はケーキがあるから飲まないだろう。 コーヒーでもセットしといてやろうか。 あれやこれやと準備をしている間にピーッピーッとアラームが鳴り、洗濯物を干している間に斗真が風呂から上がってきた。 「あ、希!洗濯してくれたんだ! ありがとう。助かるよ。」 「どう致しまして。ケーキに合わせるのはコーヒーでいいか?持って行ってやるから待っとけよ。」 「うん!ありがとう!」 へにょ、と斗真が笑う。 うわぁ…かわい過ぎる…今すぐ押し倒したい! …ダメだ、ダメだ。 ケーキを完食するまで待たなければ…食べ物の恨みは恐ろしいからな… これでケーキを食べさせなかったら、斗真のご機嫌がどうなるか分からない。 熱々のコーヒーとケーキを斗真の元に運んでやると、満面の笑みで迎えてくれる。 斗真…俺の天使… あとで思いっ切り抱きしめて、キスして、それから… 「おい、希っ!なーにトリップしてるんだよ! お前は?何食べるの?」 「えっ、あっ、俺は買い置きしてあるアイスクリーム! 取ってくるよ。」 妄想が爆発しそうな俺は、慌てて冷蔵庫に走って行った。 ふふっ。とっておきのバニラアイス。 俺も斗真のこと言えないな。 「希ーっ!食べてもいい?」 「どーぞー!」 我慢できないのか。かわいい奴め。 アイスを持ってリビングに戻ると、大きな口を開けてパクつく斗真が見えた。 萌える。 写メりたい。動画で撮りたい。

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