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第810話
段々と、熱烈な告白を聞いている気分になってきた。
顔が火照る。
斗真、お前何てかわいくていじらしいんだ!?
「斗真…俺が送ったラ◯ン、見てみろ。」
「?」
訝しむ顔のまま、斗真が携帯を持ってきた。
「お前に送ったのは?」
斗真が画面を開く。
「これだろ?」
「送り手は?」
「『希』お前じゃん。」
「会社の携帯、開いてないメッセあるだろ?
開けて。」
「待って、持ってくる。
ホントだ…気付かなかった…あれ?これは…」
画面を開くと、社内グループラ◯ンが
数十件全て未読になっていた。
斗真は慌ててそれを開くと
[みんな、忙しいのに悪いな。ありがとう!
厳しかったらすぐに連絡してくれ。
フォローに行くから。]
[チーフ、俺キツイけど大丈夫です!]
[チーフ!俺、ヤバいです!助けて下さい!]
[分かった。30分したら◯◯駅で合流する。待ってろ。
高橋、やれるか?]
[はい!どうしてもダメならお願いします!]
その後も続々と続くメッセの嵐。
[高橋、押し付けて悪かったな。
大丈夫か?
無理なら連絡してくれ。応援するから。]
[大丈夫です!終わりました!]
そして…
[みんな、お疲れ様!
無事に終わったようだな。
落ち着いたらこの埋め合わせはするから、二、三日頑張ってくれ!
よろしく頼みます!]
それに応えてスタンプやら、[打ち上げは焼肉にして][有休下さい]とか、言いたい放題のメッセが続いていた。
「希…これ…」
「お前を含めてみんなには社用の携帯からの一斉メール。
それプラスお前だけ、俺個人のダイレクトメール。
…意味、分かるよな?
お前は特別。俺にとっての一番。」
「あ…」
二台の携帯を握りしめた斗真の顔がみるみる赤く染まっていく。
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