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第813話
何てかわいい奴なんだろう。
「とーま…」
「んっ、希…んふっ、むっ…」
じゅるじゅると滑った音が脳内に響く。
斗真はもう逃げることなく、夢中になって俺のキスに応えていた。
愛し合える幸せ。
目の前で綻んでいく最愛のひと。
あの時、失わなくて良かった、俺の元に戻って来てくれて良かった。
こうやって肌を合わせ、心を結び合える…
愛してる、の思いを込めて舌を絡め合い上顎を擦り上げ、零れ落ちる唾液を啜る。
自然、動き始めた腰がリズムを刻み、反り立ったお互いの屹立に甘美な刺激を与えてくる。
「うっ…これ、気持ちイイ…斗真、ヤバい…我慢できないよ…」
「んっ、俺もっ…希、早くナカに…」
返事の代わりに、素早く唇に“ちゅっ”とリップ音付きのキスを落とすと、斗真の膝を掴み左右に広げ、枕元に隠しておいたローションをたっぷりとヒクつく後孔に擦り付けた。
そしてワザと見せつけるように、中指と人差し指を舐めて唾液で濡らしてから、まずは一本…指は難なく二本、三本と飲み込まれていった。
「ああっ!」
斗真の背中がびくりと跳ねた。
イイとこに当たったか。
指じゃ満足できないだろ?
すぐに…俺のを入れてやるから、もう少し待ってろ。
ココをどうしたら斗真が感じるのか、俺には手に取るように分かる。
少し膨らんだその部分を指で散々突いて擦って焦らしてやる。
「んっ、やっ、ゆびっ、やだっ…ひんっ」
泣き声になってきた斗真の顔は、涙に濡れぐちゃぐちゃになっていたが、そんな顔すら愛おしい。
指を引き抜き、ヒクつく蕾に俺自身をあてがうと、入口を数度浅く出入りする。
ローションのヌルつきが、ちゅぷちゅぷと音を立てて淫猥な空気を作り出していく。
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