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第835話
おかしく、なる。
胸から、腹の奥から生み出される快楽を追って、希の上で腰を揺らすと
「斗真、いい子。上手だ。」
と褒めてくれる。
もっと褒めてもらいたくて、下半身に意識を集中する。
ぷちゅぷちゅと恥ずかしい水音が聞こえるが、快感に支配され始めた俺には、昂ぶる材料にしかならない。
ぷるぷる震える俺の切っ先からは、透明な先走りが迸って希の腹や胸に散らばっている。
「あっ、希っ…どうしよう…止まんない…」
くくっ、と希はうれしそうに笑うと
「いいよ。もっと、もっと乱れて。俺だけのために。
斗真…綺麗…俺、もう我慢できない。」
ずくっ
「ああっ」
俺が下に落ちるのと希の突き上げのタイミングが同時になり、希が奥の深いところまでめり込んだ。
白い火花が目の前に飛び、脳天に甘く鋭い快感が突き抜けた。
「あああああ」
希が咄嗟に俺の両腕を掴み、後ろに倒れるのを阻止した。
喉を背中を逸らして硬直した俺は、掠れた声を吐き出すしかなかった。
俺の白濁液は希の胸元に飛び散り、身体の奥がじんわりと温かくなり、希も一緒にイったのが分かった。
普通なら届かないその場所は、パクリと口を開けて希を受け止めていた。
希は動かない俺の顔を確認すると、繋がったままゆっくりと身体を起こし、座位になると俺を抱きしめ背中を摩ってくれた。
ひゅうっ 、げほっ、げほっ
止まっていた肺の中に急に空気が入ってきて、思わずむせた。
咳き込むと俺の中の希も一緒に震えて、それがまた気持ち良くてまたイきそうになる。
「斗真、大丈夫か?」
「…何とか…ちょっと、入ったまま喋らないで…」
その意味を解した希は俺の頭を撫でて、ぎゅっと抱きしめてくれる。
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