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第850話
そのキスが合図になったのか、啄ばんだキスが段々と熱を帯びてくる。
それでもそれを焦らすかのように、口内に舌を差し込んだかと思えば、唇に触れ合うだけのキスに変えたり、頬を擦り寄せたり。
強く抱きしめてきたかと思えば、手の平で優しく撫でられたり。
お互いに晒しあいながら昂ぶっていく。
いつの間にか着ていたものは脱がされて、抱き上げられてベッドに運ばれていた。
ちゅくちゅくと滑る音が響く寝室で、お互いの肌を撫で合い、キスを繰り返していた。
「希。」
「ん?」
「俺、ダメダメなヨメでごめんな。」
「別に。俺もダメダメなダンナだから。」
「何で!希はそんなこと、んっ」
すぐに唇を塞がれて甘いキスに溺れていく。
「…だから、ダメダメ同士で釣り合っていいんだよ。
斗真…俺の斗真…」
ちゅっちゅっ、と下りていく唇の感触がもどかしくて、思わずはあっ、と口から吐息が溢れる。
希は胸元に幾つかの赤い花びらを散らし、既に尖った赤い粒に吸い付いた。
「んっ!」
ぴりぴりと全身に回る甘い毒に、知らず腰が揺れる。
揺れる肉棒からは透明な液体が滲み出し、竿を伝って下生えを濡らしていた。
その滑りを掬い、希がゆっくりと右手を上下に動かすと、ダイレクトな快感が背中を駆け上がった。
「あっ…」
親指で先端の小さな穴をくるくると抉られて、足を広げられると、遠慮がちにヒクつく蕾が希の目の前に晒された。
恥ずかしくて閉じようとすると、力を込めて広げられる。
パチンとローションを開ける音がして、つぷりと指を入れられ、それだけで達しそうになる節操のない自分が恨めしい。
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