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第860話

足元に蹲り、一生懸命俺自身を愛撫している斗真の髪の毛をくしゃりと撫でてやる。 一瞬ぴくりと跳ねた斗真は、再び舌を絡めてしゃぶりだした。 俺はそんな斗真の顔が見たくて布団をまくった。 驚いて口を外し、ぱっと顔を上げた斗真の目元は涙で潤んだままで、頬は赤く染まっていた。 俺は斗真の頬を撫でながら 「斗真、いやらしくてかわいい顔してる。 もっと、もっと、かわいい顔見せて。」 じっと俺を見ていた斗真は 「かわいいなんて…そんなこと言うのはお前だけだろ。」 なんて言いながら、今度は俺自身を手で扱きだした。 自分が出したものだけれど、ぬちゅぬちゅと粘った音が耳につき、何だかいたたまれない。 俺は斗真の手をぐいと引き寄せた。 「うわっ」 その反動で、斗真の身体が俺の方に倒れ込むのを受け止めた。 「…危ないじゃないかっ…何やって、んっ」 キスしながら斗真の後孔に指を這わせる。 少しえぐみのある味がするのは、さっきまで斗真が俺のをしゃぶっていたせいか。 間接的にとはいえ、自分のを舐める羽目になるとは…まぁ、いいか。 枕の下に忍ばせていたローションを手早く垂らし、一本、また一本と指を増やしていく。 すでに解れていたそこは、大した愛撫を待たずに纏わり付いてくる。 俺の指の動きに斗真の声が甘さを帯びてきた。 「希っ、何でっ…あっ…俺がせっかく…んんっ、何でっ…あっ、やっ…あーーっ」 指で前立腺の裏を突くと、斗真はびゅくりと白濁の液を放出し、喉を仰け反らせて啼いた。 何度も大きく息を吐き呼吸も整わぬ斗真は、恨めしげに俺を睨め付ける。 頬は上気し赤く染まり、目元は潤んで口元は半開きになり、その顔は壮絶な色気を纏っていた。

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