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第861話
両手で斗真の頬を包み込んだ。そのまま、ちゅっちゅっ、と啄ばむようなキスを繰り返す。
そのうち、“いい加減にしろ”とでも言いたげに首を振り、俺の拘束から逃れた斗真は、今度はお返しとばかりに俺の両頬を押さえて、上唇に吸い付いてきた。
その次は下唇、そして舌を捻じ込んで俺の舌先を突いて遊び始めた。
俺は斗真がどんなちょっかいを掛けてくるのか、ワクワクしながら斗真のなすがままにされていた。
「…っ…ん…っ…」
次第に斗真の声に甘さが加わってきた。
擦り付けられる下半身は熱を帯び、二人の先走りで再び粘着質ないやらしい音を立て始めていた。
自分で仕掛けて煽っておきながら、そんな声を出すなんてタチが悪い。
反撃開始だ。
湿り気を帯びた斗真の後孔に中指の第一関節まで差し入れる。
「んんっ!?」
目を大きく見開いた斗真がびくりと跳ねた。
柔らかく解れた入口は、くぷくぷと簡単に中指を一本飲み込んだ。
蠢き始めた襞は、俺の指に吸い付いてくる。
一旦引き抜き、そろりと人差し指も一緒に差し込む。
「斗真、美味そうに飲んでるな。」
「っ!ばかっ!そんなこと言うなっ!」
筒の中で二本の指を広げたり閉じたり、擦り上げたりしながら、斗真の様子を伺うと、背中までほんのりと朱を纏い、心なしかふるふると震えているようだ。
唇を噛み締め、身体の中から疼き始めた快楽を必死で耐えようとしているんだろうか。
「斗真、気持ちイイならそう言って。
もっと良くしてあげるから。
お前が気持ちイイなら、俺もうれしい。」
そうささやいて、あの部分をコリコリと触ってやった。
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