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第869話
二人のトランクをコインロッカーに収めてから、俺とマイク、斗真とユータで並んで店に向かった。
久し振りに会ったのに、ずっと一緒にいる感じがする。
斗真は…ユータと談笑している…良かった…
ショーウィンドウの食品サンプルを見た二人は
「すっげぇ!え、偽物?日本、最強っ!」
「食べれるの?え?うわぁ…すっごーい!」
と写メを撮って大はしゃぎだった。
おまけに店員さんに頼んで、特別に触らせてもらっていた。オッケーなんだ…人懐っこいって得だ。
全員一致で“天ぷらそば”を頼むことにして、店内に入る。結構な混み具合だったが、四人がけのテーブルに座ることができた。
「疲れてない?大丈夫?」
「トーマ達の顔を見たら吹き飛んだよ!
それで?どこを案内してくれるの?」
「はとバスって知ってる?
バスで観光地を回ってくれるんだよ。
リクエストのあった浅草とスカイツリー、それプラス遊覧船に乗ろう!
その後は、マイクの行きたい」
「アキハバラーーっ!」
「大正解!」
くすくす笑っていると天ぷらそばがやってきた。
二人は耳打ちし合ってまた写メっている。
「ほら、熱々のうちに食べるよ!」
「「「「イタダキマス!」」」」
斗真が感心したように呟いた。
「二人とも箸の使い方が綺麗だね…誰に教わったの?」
「ノゾミだよ!よく特訓されたんだ。」
「特訓!?」
「そう、スパルタで。」
「違うよ!おかしな使い方したら恥かくじゃないか!それを阻止したんだ。感謝してよ!」
「はいはい、ノゾミ様、ありがとうございました。」
あははっ
さっきサンプルを触らせてくれた店員さんが
「これ…他のお客様には内緒ですよ。サービスです。よろしかったらどうぞ。」
と、こっそりとそば饅頭を四つ、小皿に出してくれた。
「オー!アリガトゴザイマス!」
「良かったな、マイク、ユータ!そば饅頭だよ。」
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