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第891話

ガチャリ 「さぁ、ようこそ!俺達の城へ!お前達んとこと比べないでくれ。笑うなよ!」 「Wow!スタイリッシュでイケてる! 何か“ノゾミとトーマ”って感じの部屋だね。」 「落ち着くな…居心地がいい。 ノゾミ、いい部屋じゃないか!気に入ったよ。」 「サンキュー。 到着したなりに連れ回して悪かったな。先に風呂に入ってゆっくり疲れを癒してよ。」 「荷物はこっちの部屋に。 バスローブもパジャマもあるから、良かったら使って。 あ。ユータに使い方教えるから来てよ。」 斗真がユータを連れてバスルームに行った。 残された俺達は、どちらからともなく拳を突き合わせハグした。 背中をバシバシ叩き合い離れると 「ノゾミ、あれで良かったのか?」 「あぁ…斗真がそう望んだんだ。 俺はこの先何があってもアイツを愛して守っていくよ。 …嫌な役を押し付けて悪かったな…」 「いや、大丈夫だ。 ノゾミ、トーマから目を離すなよ。」 俺が力強く頷くと、マイクはやっと笑顔を見せた。 「俺達二人で入らせてもらうよ。 先にいいのか?」 「勿論!ゆっくりしてよ。 酒とつまみ用意しておくから。」 「マイクー!ユータが一緒に入ろう、って待ってるよー!」 「オーケー、今行くよ! トーマ、お先にごめんね。」 「どうぞ、遠慮なく!ゆっくり温まって!」 「サンキュー!」 暫くすると賑やかな声が聞こえてきた。 ふふっ。相変わらず仲の良いことで… 斗真を見ると、同じように苦笑していた。 「俺達も後で一緒に入るぞ。」 「何?二人に対抗してるの?」 「『お前らに負けないくらいにラブラブなんだぞ』って見せつけてやらなきゃ。」 「…一体何を目指してるんだか…俺、つまみの用意してくる。」 パタパタとスリッパの音を立てて、斗真がキッチンに消えていった。 照れてるのか?それとも嫌なのか?

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