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第898話

いつの間にか、斗真の口の拘束は解け、官能的な欲をそそる喘ぎ声が満ちていた。 恐らくばっちりとマイク達の部屋にも聞こえているはず。 いや、あっちはあっちで盛り上がってるから、他人のことなんてどうでもいいのか。 これは…後で斗真に叱られるパターンか!? でも無理だ。止まらない。 できるだけ負担をかけないように、それでも快楽を追って身体が動く。 「のぞ、み…くっ…」 “声を出さない”と我慢しているのか、くぐもった声がまたそそる。 「斗真、気持ちイイなら声出せよ。 我慢しなくていい。ほら、もっと良くしてやるから!」 ピストンを繰り返し、同時に乳首の愛撫も忘れない。 斗真の感じるところを攻めてやる。 ぐり、と爪を立てると、中がぎゅっと締まった。 虐めてるんじゃない。 愛してるから、乱れる様を見たいだけ。 俺だけに見せる顔と俺だけに聞こえる声を俺だけのものにしたいだけ。 斗真、愛してるよ。 斗真の手が力なく差し伸べられ、俺の腕を掴んだ。 どうしたんだ?まさか、これで止めろ、なんて言わないよな? 「希、ぎゅって…して…」 あぁ、破壊力抜群! 俺の理性は粉々に打ち砕かれた。 「斗真っ!!!」 腰を振りながら、斗真を抱きしめる。 唇に吸い付いて舌を差し入れると、溢れる涙が零れ落ちた。 無理な体勢を強いているのは分かっているが、もう程々になんてできやしない。 加速する抽挿はますます熱を帯び、ベッドのスプリングがぎしぎしと鳴っている。 次第に高まる射精感を押さえる術もなく、欲望のまま吐き出す寸前、やっとの思いで斗真の中から抜き出して腹の上にぶち撒けた。 と同時に、斗真の竿からも白濁の液が放たれた。

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