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第900話

翌朝アラームより早く起き出した俺達は、順番にそっとシャワーを浴びて、簡単な朝ご飯の準備を始めた。 “おはよう”のキスも忘れずに。 俺が昨夜暴走したのに、斗真はいつもと変わらない。斗真の方が“オトナ”なんだ。 テーブルには、サラダとベーコンエッグ、軽くトーストした食パン、それとインスタントのコーンスープ。 コーヒーのいい匂いがし始めた頃、客人が元気に起きてきた。 「おはよう!ノゾミ、トーマ! いい匂い〜、お腹空いたぁ!」 「おはよう、ノゾミ、トーマ!あの…シャワー借りてもいい?」 「二人ともおはよう!自由に使って!7時半には家を出るから、よろしく!」 「マイク、ユータ、おはよう!マイク、先に食べて!あんまり時間もないからね。」 マイクが俺の側にやってきて、そっと耳打ちした。 「昨夜(ゆうべ)はお互い盛り上がったみたいだな。」 「お前達のせいだろ!」 「…悪かったな。でも、何処に行っても俺達はあんな感じだから。」 「よく体力が持つな…感心するよ。 さ、早く食べて!マイクもシャワー浴びたいだろ?」 「うん。ユータが出たら入れ替わるよ。 トーマ!いただきまーす!」 「はい、どうぞ!」 朝から慌しいが賑やかな食卓で、それぞれに食べて片付けて、荷物のチェックをして…何とか予定の時間に家を出ることができた。 道中、斗真はユータとずっと何やらこそこそと話をしていたが、お互いに肩を叩き合ったりしていた。多分のことだろう。 まだ少し肌寒い花冷えの春の日差しを浴びながら、キャリーケースをゴロゴロ引く俺達四人の珍道中の始まりだった。

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