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第901話
『余裕を持って行動!』がモットーの俺と斗真は、旅行の計画も完璧だった。
無理のないスケジュールで、日本を京都を満喫して喜んでもらおうと頑張ったのだ。
勿論、マイクとユータの希望が最優先。
行きたい所や食べたい物をリストアップしてもらって、それに沿うように計画を立てた。
東京駅近くで昨日のはとバスを思い出して、路上駐車のバスを見てはサトコさんを探すが…やはり会えなかった。
残念がるマイク達を連れて新幹線に乗り込み、早速シートを回転させ対面になった。
俺も斗真も、何に乗ろうが全く乗り物酔いをしないので、進行方向に背中を向く形で座った。
ユータはマイクの腕に自分の腕をくっ付けてご機嫌だ。
「ノゾミ、最初に何処に行くの?移動はバス?」
「効率良く回りたいからね、観光タクシーを頼んだよ。バスの乗り継ぎもいいけど、何分時間がもったいないからな。
最初はリクエストにあった三十三間堂だよ。」
「やったぁ!マイク、仏像たくさん見れるよ!
俺達に似てるの見つかるかな?」
「そうだな。こう見えてもユータは日本の仏像が大好きなんだよ。
良かったな、ユータ。」
「へーぇ、何が1番好きなの?」
「一つには決められないけど…今1番会いたいのは、ハンカシユイゾウだよ。」
「ハンカシユイ…あぁ、美術の教科書にも載ってるよな、こんなポーズの」
斗真が手を膝に置き足を組むと
「そうそう!顔が美しくってさ…少しマイクに似てるんだ…」
はにかむユータが何ともかわいい。
「マイク、やきもち焼くなよ。」
揶揄いがちに言うと
「そのハンカシユイゾウは、俺に似ているから好きなんだよな、ユータ?」
頬を染め、頷くユータ。
「あーぁあー、ご馳走様!」
あはははっ
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