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第903話

今日回る先の情報をあれこれとネットから引っ張り出してはリサーチを怠らないマイクとユータに感心しながら、無事に京都に着いた。 見事に観光シーズンと被った駅の構内は人でごった返し、人波を掻き分けるように進んでタクシー乗り場へと辿り着いた。 「凄い人だな。これみーんな観光?」 「多分な。あとは就職とか進学で来てる人達もいると思うよ。」 俺は予約してあった待ち合わせ場所に、三人を引き連れて行く。 これだけ混雑していたら、今日中に予定している場所を全部回るのは難しいかもしれないな。 明日予備日にしてて正解だったかも。 取り敢えずタクシーは二日間押さえてあるから。 「あ、あれだよ!」 黒のミニバンの隣で、そわそわと待っている人の良さそうな長身の眼鏡の男性に手を振ると、ホッとした顔をして会釈された。 「遠藤様ですね?京都へようこそおこしやす。 えーっと…“うぇる かむ とぅ 京都!”」 たどたどしい英語が笑えるけれど、俺は一目でこの年配の運転手に好感を持った。 この旅はみんなに絶対に満足してもらえる!そんな予感があった。 「はい!お世話になります。 どうぞよろしくお願いします。」 「Tthank you!Mr.…」 「お・が・わ た・い・ぞ・う です!」 ぐいっと胸のネームプレートを引っ張って見せて笑う“小川泰造さん”。 「オガワサーン、ヨロシクネ!」 ユータが握手をすると、にへへと笑っていた。 荷物があるしガタイがデカい俺達だから、ミニバンにして良かった。 キャリーケースも楽々詰め込んで、ゆったりと座る。 「駅も凄く混雑してましたけど、道路もそうですか?」 「そうどすなぁ。普段よりは多いようですが、大丈夫だと思いますよ。 ではまず腹ごしらえと行きますか。」 三十三間堂近くのおばんざいのお店に到着。 好きなものを三種選んで提供してもらう。 マイクもユータも迷いながら選んでいた。

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