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第915話
ご褒美はあの下着を着けてもらおうか…それとも新しいのをプレゼントしようか…
むふふっ、とほくそ笑んだ俺は、きっとだらしなくにやけていたのだろう、入れ替わりに風呂から戻ってきた斗真に思いっ切り睨まれた。
「希…良からぬこと考えてないだろうな。」
「えっ、いやっ、別に。」
「…怪しい…」
「何も考えてないよ!本当に!」
「…ご褒美、止めようか。」
「そんなっ!斗真ぁ…」
喧嘩が勃発しそうなその時、ノックの音が聞こえた。
『お食事の用意に参りました。
入らせていただいてもよろしいでしょうか?』
「はいっ!どうぞ!」
はあっ…危ない、危ない…
「ノゾミー!トーマァ!…うわぁっ!
綺麗だ!美味しそう!マイク、見て見て!」
雪崩れ込んできたマイクとユータがはしゃいでいる。
仲居さんにくすくす笑われながら席についた二人は、卓上の料理に釘付けだ。
一つ一つ料理の説明を受けながら、それを英訳して伝えると、二人はふんふんと顔を見合わせては頷き、『早く食べさせろ』と目で訴えてくる。
仕方ない。
「後は俺達で勝手にやりますから、もういいですよ。
何かあったら呼びますから。」
「あら、そうですか…では、ご遠慮なくお呼び下さいませ。」
それからは無礼講の四人だけの大宴会に突入した。
遠慮のない俺達は、言いたい事を言い合い、笑い泣いて、また笑った。
それでも絶対触れてはならない話題には決して近付かずに。
食事を酒を堪能し、アルコールに強い流石のユータが眠たそうにしたのを合図に、賑やかな宴会も終わりを告げた。
「マイク、朝ご飯はそれぞれの部屋に運んでもらうことにしたよ。
集合時間に遅れないように。
明日はユータのイチオシのハンカシユイさんを見に行くんだからな。」
「分かってるよ。
ノゾミ、トーマ、ありがとう。
お休み、また明日。」
「うん、お休み。」
「お休みなさい。」
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