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第920話

俺は腹筋を使い反動をつけて起き上がった。 「ひいっ!」 斗真が悲鳴を上げ仰け反った。 座位になったせいで自重を受け、勢い余って奥深く食い込んだのだ。 過去にも何度か最奥へ到達したことはあるが、それ以上に。 斗真の中は、入り込んだ俺の先端にちゅくちゅくと啄むように吸い付き、俺は限界に達しそうだった。 はあっ…気持ち良過ぎる… 「斗真、ごめん、動いてもいい?」 「…ちょっ、待っ、て…奥、奥まで、きてる…」 はあっ…と甘い息を吐いた斗真は 「こんな深いの、初めて…」 と、目元を染めて呟いた。 俺はもう我慢できずに、腰を大きくグラインドさせた。 「ああっ」 瞬間、喉を反らせ後方へ倒れ掛けた斗真の腕を掴み、背中を支えて引き寄せた。 再び俺が動き始めると、斗真は飛ばないように首に腕を回した。 「斗真、いい子。」 目の前の赤い粒に舌を這わせると、頭を叩かれた。 「痛っ!」 「何が“いい子”だっ! 言うこととやることが違うだろっ! なーにが『いい子にする』だよっ! がっついてどーすんだっ!明日のこと考えろっ!」 そうだった…『いい子にするから』と“お願い”してヤってるんだった… 「ごめんなさい。ついつい調子に乗りました。」 何度目かは忘れたけど、本気の謝罪。 こんな格好でこんな体勢で謝るなんて、妙に恥ずかしい。 そうだよな…斗真の負担だってちゃんと考えてやらなきゃ。 家に帰ったら…って言ってたもんな。 反省しながら、渋々中から引き抜こうとする俺の手をやんわりと止めた斗真は 「仕方ないなぁ、希ちゃんは。 性欲オバケ。甘えん坊。 …俺が『いい』って言うまで…動くなよ…」 妖艶に微笑んだ斗真が…腰を振り始めた。

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