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第931話
大幅に時間を過ぎて駐車場に戻ると、小川さんはにこやかに待っていてくれた。
「皆さん、そのお顔は存分に楽しまれたみたいですね。」
「ええ、お陰様で。」
「オガワサーン、アリガトー!」
「『すごく良かったです、心が落ち着きました。』って言ってます。」
口々にお礼を言い、駅の構内のオススメのお土産物を聞いているうちに、あっという間に駅に着いてしまった。
名残惜しいけれど、わらわらと車を降りた。
「小川さん、あなたのお陰で本当にいい旅ができました。本当にありがとうございました。」
「オガワサン、マタアイタイデス。」
「アリガトウゴザイマシタ。オゲンキデ。」
「本当にお世話になりました。
お身体に気を付けて、いつまでも現役でいらして下さい。是非また利用させて下さいね。」
「私もとても楽しかったです。
どうか皆様もお元気で、仲良くお過ごしやす。
また是非いらして下さい。
おおきに。ありがとうございました。」
順番にハグして別れを惜しみながら、車が去っていくのを見送った。
「はあっ…いい人に出会えて良かったな。
もっと観たかったなぁ、京都。
ノゾミもトーマもありがとう!楽しかったよ!」
「うん、でも俺達の回りたかったとこは全部行けたから、すっごい満足してる!
ノゾミ、トーマ、本当にありがとう!」
「こちらこそだよ。俺達も楽しませてもらったから、二人には、あ!小川さんにも“ありがとう”をたくさん言いたいよ。」
「喜んでもらえたなら何よりさ。
さ、お土産物を買うんだろ?
新幹線の時間もあるから、行こうか!」
段取り魔の希に連れられて移動を始めた俺達は、小川さんオススメのお店に行っては物色し、あれこれ買った後、新幹線に乗り込んだ。
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