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第942話

希が二人の肩を叩き、笑いながら 「いくらユータでも…俺の斗真をもう返して。 ほら、顔洗ってきな。保冷剤持ってきてやるから。暫くそれで冷やしといて。 顔も目も腫れたまま明日秋葉原に行くつもりか?」 「ホントだ!」 ユータは俺から離れると、慌てて洗面所に走って行った。 希がキッチンに行き、マイクと俺が残った。 マイクは俺の手を両手で握ると 「トーマ、本当にありがとう。何てお礼を言えばいいのか… それに、ユータがハンカシユイさんにあんなに執着してた訳が分かったよ。 ユータには異動を受けさせるよ。 俺の身の振り方は…ユータとちゃんと話し合った上で上司とも相談する。 それによって、住む所も考える。 できるだけアイツの負担にならないようにする。 俺はユータの笑顔が見られたら、それでいいんだ。 ユータが俺を思ってくれてる、その思いを上回るくらいに俺はユータが大切なんだ。」 「えらく惚気られた気がするんだけど。 でも、ユータの違和感に気付くなんて、マイクはやっぱり最高のパートナーなんだね! …二人が一番いい方向に向きますように…」 「トーマ、君もやっぱり最高だよ!」 ハグされて背中を叩き合っていると、視線を感じた…希だ… 「…マイク…俺の斗真を返して…」 「うわあっ、ごめん、ごめん!」 マイクは俺の背中を叩いて、そっと離れた。 俺を奪い取るように抱き竦めた希は 「ユータといいマイクといい…何で斗真をハグするんだよぉ…斗真が減る…」 「ばーか、何言ってんの! 俺はお前のなんだから、もう拗ねるな!」 「とぉーまぁー…」 駄犬の頭を撫でてやった。

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