目覚ましが鳴る前に二人とも目が覚めた。 「おはよう、斗真。」 「おはよう、希。」 キスして起き出すいつもと変わらぬ朝。 順番に洗面を済ませて四人分の朝食の準備を始める。 コーヒーが出来上がる頃、客人が起きてきた。 「ノゾミ、トーマ、おはよう！」 「準備させちゃってごめんね、おはよう！」 「大丈夫だよ。おはよう！」 「おはよう！ゆっくりできたか？」 「うん！お陰様で！」 チラリと覗いたユータの首筋に赤い点々が… 思わず振り向いた俺とマイクの視線が合ってしまった。 マイクはバツが悪そうに頭を掻き掻きウインクをしてきた。 吹き出す俺を不思議そうに見ていたユータを 「さ、座って！」 と促して今日もまた賑やかな食事が始まった。 コーヒーカップの底が見え始める頃、マイクが地図を出してきた。 「ここに行きたいんだ。」 見ると、赤丸で幾つか囲ってある。 何の店かは分からないけど。 ハマってる日本のアニメのフィギュアでも買いたいのかな？ 「うん、分かった。じゃあ時間を見計らって出発しよう。それまではゆっくりしてて。 洗濯あったら出して、回しとくよ。」 それじゃあ遠慮なく、とマイクが笑いながら席を立った。 ユータもすぐにその後を追いかけて行った。 今日もいい天気になりそうだから、今から干しておけば十分乾くだろう。 希が流しの片付けをしてくれてる間に、俺は洗濯をすることにした。 ユータが洗濯物を抱えてきた。 「トーマ、これいい？」 「うん！俺達のと一緒にするけどいい？」 「勿論！」 すっかり落ち着いた顔のユータを見て、ホッとした。 ユータは俺の視線に気付くと 「トーマ、俺日本に来て、トーマに会えて本当に良かった。ありがとう。」 俺はただ頷くことしかできなかった。