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第946話

そのうち待ちくたびれて、俺も棚に並んでいるのを順番に見て行った。 え?この値段…嘘…コレがこんなにするのか!? 一体何が、何処が違うんだ? 分からない。その違いも価値も分かんねぇ… 首を傾げながら見ていると、希がやって来た。 「斗真!何か気に入ったのある?」 「いや…気に入るも入らないも、正直分かんない。 何でこんな値段するの?」 「発売の個体数の少なさとか、状態の良さとか。 人気のあるやつとか…色々だね。」 「ふーん…で?彼らはお好みの物が見つかったのか?」 「うん。あの様子じゃそうらしいよ。 ここでどれを買うのを決めてる最中。」 「そうか。じゃあ良かった。 …お前は?ハマってたんじゃないのか?」 「ふんっ。俺はとっくに卒業したんだよ。」 「そうなのか?いいぞ、欲しいのがあれば買って飾っても。」 揶揄うように言うと、むくれた希に突かれた。 「おーい!お待たせ!」 「おっ、マイク。いいの見つかったのか?」 「うん、一番欲しかったやつがね! 流石日本!思っていたより安く買えたよ! さあ、次!次に行こう!」 ご機嫌なマイクに先導されるように店を出て、次へと向かう。 途端でユータがいなくなった。 「あれ?ユータは?ユータとはぐれた!?」 慌ててマイクを呼び止めると 「大丈夫!何か行きたい店を見つけたから行ってくるって。 今向かう店で合流するから心配いらないよ、ありがとう!」 希と顔を見合わせ頷くと、3人で次の店に。 そこでも暫く悩んだ挙げ句、マイクは二つ選んだフィギュアを購入した。 「もうこれで十分!あー、いい買い物したよ!」 そこへユータがやって来た。 「ごめん、ごめん!勝手にいなくなっちゃって。 マイク、お目当てのものあった?」 「もう、サイコー!俺は満足したよ。 ノゾミ、トーマ、連れて来てくれてありがとう!」

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