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第953話

考え事をしているうちに、第二部が始まった。 これまた華やかな、絢爛豪華という言葉がぴったりの演目だ。 パンフレットによると、よくテレビのバラエティ番組で見かける役者達が出ているらしい。 一部とは全く違う空気に暫し酔いしれていく。 あー、きっとタカラヅカとかライブにハマる人達も、こんな非日常的な雰囲気を楽しんで益々ファンになっていくんだろうな。 あっという間に休憩時間になった。 希がトイレに立ち、隣を見ると一人残ったユータも笑いながらこちらを見て、ひらひらと手を振っている。 「どう?楽しんでる?」 「うん!君達のお陰で満喫してるよ! マイクもすっごく喜んでる。 トーマ、ありがとう!」 「逆に俺の方がお礼を言わなきゃ。 ユータ、ここに今いないけどマイクもありがとう。」 「え?何もしてないよ?」 「君達がここに連れて来てくれたお陰で、自分の至らなさに気付いて猛反省してる最中なんだ。 だから、ありがとう。」 「よく分からないけど…とにかくお互いに『ありがとう』だね!」 手を伸ばしてハイタッチをした。 純粋で優しいユータ。 流石に希の親友だけある。 「何だ何だ?俺達がいない間に随分と仲良しだなぁ。」 おやおや、ダンナの登場だ。 「マイク、焼きもち?」 ユータが揶揄うと、マイクは 「いいや、独占欲。」 と言いながら、背中からユータを抱え込んだ。 でも、それもほんの束の間。 さり気なく離れると、座り直して下の方で手を握っていた。 「はあっ…バカップル。一応公共の場だからちょっとは控えてくれよな。」 希が笑いながら元の位置に座り、これまたそっと俺の手を握ってきた。 何対抗してんの? お前のせいで俺達もバカップル認定じゃん! それでも希にされるがまま、手を握られていた。

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