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第960話

耳元で甘く優しい声が聞こえる。 「…ま、斗真…おはよ」 「ん…あと五分…ん…」 「ダメだよ、起きて。」 「…ん…」 「起きないなら悪戯するぞ。」 悪戯?何の?あと少し寝かせてよ… んん?何か…気持ちイイ…何、これ? 下半身に熱が溜まっていく。 高まる射精感に、ばちっ、と目が覚めた。 視線を下にやると… 足元がこんもりと山になっている。 まさか…… 断続的に湧き上がる快感に、ぶるりと身体が震えた。 「希っ!」 布団をめくり上げると、俺の足の間に蹲り、俺自身を握りしめた希と目が合った。 「えへっ。おはよう、とーま。」 「『えへっ』じゃないだろっ!?何やってんの!?」 「だってぇ…とーま起きないから…ちょっと朝のご挨拶を…」 「ばかっ!」 途端にしゅんと項垂れる希。 反省するのはいいが、その、握ったままの手を離してくれ。 「…希…」 「…はい、ごめんなさい…」 …ようやく手を離してくれた。 ただでさえ朝勃ちの上に弄られて、中途半端なところで放置された俺自身は、かわいそうにぴくぴくと脈打っている。出そうじゃん。ヤバいよ。 希の瞳は、動きと俺の顔とを交互にチラチラと忙しなく動いていた。 「とーま…コレ、どうするの?」 「…どうするって…」 「治りつかないよ。どうするの?辛いでしょ?」 「誰のせいだと思って」 「責任取るよ。」 そう言うなり、希が俺自身にしゃぶりついてきた。 爆ぜそうなところへもってきて、イイところを吸いつかれて舌で愛撫されて、もう我慢できなかった。 「うひぁあっ」 何とも情けない声を出してしまった。 と同時に何の予告もなく、びゅくりと希の口の中に吐き出してしまう。 それを全て受け止めた希はゴクリと喉を鳴らして飲み込むと、満足気に微笑んだ。 「ご馳走様でした。」

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