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第974話
「本当に嫌な事件だった。
彼らにとっては勿論、俺達にとっても。」
「…マイク…今聞くべきではないと分かってるんだけど…聞いてもいい?
今までどうしても口に出せなかったんだけど。」
「ん?何を?」
「あの時…俺達は偶然休みが取れて、偶然配備が敷かれていたのか?
事件も大詰めで人手が足りないかも、と言ってた時に、俺達二人が同じ日に休みを取れた…いくら理解のある職場だとはいえ、俺達のプライベートな我儘がすんなり通るなんて、オカシイと思わないか?
休みを取れる代わりに、何か見返りがあったんじゃないのか?
…単なる…偶然が幾つも重なった、ある意味被害者には運の良い事件だった…と思ったままでいてもいいのか?」
「何言ってるの?俺にはお前の言ってる意味が分からないんだけど。
もしかして…お前の知らないところで俺達が仕組んだ、とでも言いたいのか?」
「そうは言ってない。
ただ、余りにも偶然が重なり過ぎて、俺の中でもずっと何かが凝り固まっていたことなんだ。
…マイク、どうなんだ?正直に答えてくれ。
どんな答えでも受け入れるから。」
「…ユータ…想像力が豊かなのは、推理をする上で必要だけれど、この場合は適切ではない。
あり得ないことを妄想するのは止めにしないか?」
「…信じていいんだな?」
「当たり前だろ!…心外だ!俺を信じてないのか!?
…それ以上俺を疑うようなことを言うと、流石の俺も怒りを抑えられなくなるぞ。
お前がそんな風に俺のことを疑っていたなんて…そっちの方がショックだよ。」
「…ごめん。どうしても腑に落ちなくて…
気分を害して悪かった。許してくれ。
もう…二度と疑ったりしないから。
お前を信じる。
…ごめん、マイク…」
「…声を荒げて悪かった。
ユータ、二度と俺を疑うようなことは言わないでくれ。」
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