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第984話
ぴったりと重なり合った肌も焼けそうだ。
腰を揺らして、斗真に俺自身を擦り付ける。
「くくっ…そんなマーキングしなくっても、俺はお前のものだから…」
下生えがじょりじょりと擦れ合い
「絡まったらどうするんだよ。」
と困り顔の斗真の鼻先にキスする。
「そうなったらそのままくっ付いておくしかないな。」
「えーっ外す時痛いじゃん!やだよぉ…それにご飯とかどうするんだよぉ…」
「今は…そんなこと考えないで…」
「んっ」
気の散った斗真の唇を塞いだ。
そして口を開けろと舌先でノックすると、薄く開いた隙間に舌を捻じ込んだ。
ねっとりと歯の裏や歯肉、頬の裏に舌を這わせていく。
甘い吐息が唾液と一緒に零れ落ちる。滴る唾液を啜り上げてはまた口内を嬲っていく。
全部、全部俺のものだ。
誰にも渡しはしない。
愛おしい気持ちが後から後からこみ上げてきて止まらなくなっている。
激しいキスに息が上がってきた。
でも、もう少し、もう少し…
急に肩をぐいっと押されて、口元が寂しくなった。
「とーま?」
「…お前、がっつき過ぎ…息できない。」
「…ごめん…」
斗真は俺の身体を脇に追いやり、下から抜け出した。
「…とーま?」
斗真に嫌われた!?
暗闇に慣れた目は斗真の動きを追っている。
慌てる俺を他所に、斗真は暗闇で妖艶に笑うと四つん這いになった。
そして尻たぶを両側から掴んで広げると
「準備してあるから…来いよ、希。」
「…斗真…」
「ゆっくりな…強くされるとイっちまいそうだから…」
俺の斗真は何て男前なんだ!
花の蜜に誘われる蝶のように、俺はそこに顔を近付け、そして腰を掴み舐め始めた。
「んへぇっ!?のっ、のぞみぃ!?何してんの!?」
素っ頓狂な斗真の声が響く。
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