ひたすらに求め求められ、愛欲の淵に堕ちていく。 斗真しかいらない。斗真さえいてくれればいい。 狂気を孕んだ切ない願いは斗真に届くのか。 斗真…お前も俺のことを心から愛してくれているのか？ ぶじゅぐじゅぐちゅっ 何とも形容しようもない濡れた音が鼓膜を震わせる。 愛したい気持ちばかりが急(せ)いて、獣のように犯すように斗真の中を行ったり来たりする。 捲れ上がる斗真の内壁は、縋るように俺に纏わり付いて離れない。 斗真、斗真… こんな思いをどうやってお前に伝えたらいいんだ？ 『アイシテル』じゃ足りないんだよ。 じわりと水の膜が張ってくる。 それでもこの言葉しか出てこない。 「愛してるんだよ…」 小さな声でささやくと、斗真が急に俺の首に手を回し自分の胸に引き寄せた。 「うわっ」 バランスを失って斗真の胸に倒れ込んだ俺は、そのまま斗真に頭を押さえ付けられるように抱きしめられた。 斗真の意図が分からぬままじっとしていると、どくどくどく…と激しい動悸が全身を駆け巡る。 俺自身は半分抜けかけて斗真の中に埋められたまま、自己主張している。 やがて、斗真はもぞもぞと腰を揺らすと、ゆっくりと俺自身を元通りに後孔に収めていった。 「んふっ…」 ため息混じりの小さな甘い吐息を漏らすと、俺の顎を掴んで上向かせ、視線を合わせこう言った。 「俺だって愛してるんだよっ。気が狂いそうなくらいに…いや、お前に関してはもう狂ってるな。 こんな俺は…嫌いか？」 「嫌うもんかっ！俺、俺…この言葉しか出てこない…斗真、愛してる…」 ふわっと微笑んだ斗真は、俺にキスしながら足を絡め身体を乗せてきた。 気が付けば、完全に上下が変わった体勢になっていて、斗真に見下ろされていた。