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第990話

「何だよ…優しいじゃないか。」 「普段イイ子のこいつが、凶暴化して俺を狂わせると思ったら…愛おしくて仕方がないよ。 馬鹿な子程かわいいって言うだろ?」 「斗真…」 「ほら、シーツ汚れちまったじゃん。 誰が洗濯すると思ってんの? ほら、そこから降りて!ベタベタすんの嫌だからな。」 「俺!俺がやるから! 斗真は先にシャワー浴びてて! すぐ行くから!」 「…そうか?じゃあお願い。」 ひらひらと手を振りながら、斗真が部屋を出た。 俺は風呂に一緒に入りたくて、斗真がシャワーを終えるまでにと、ベッドメイクを慌てて仕上げた。 ん? 何だか上手く誘導された気がする… ベタベタの身体を早く洗いたいもんな。 …ふふっ、アイツも俺を手の平で転がすようになったのか。 俺の伴侶はダンナを手玉に取るんだぞ。 ついに尻に敷かれてしまったのか。 …まぁ、それでもいいか。 おっと、斗真が出てきてしまう! いそいそと始末を終えると、汚れたシーツを洗濯機に突っ込んで斗真の元へと急いだ。 ドアを開けると、湯船に浸かっていた斗真が不満げな声をあげた。 「何だ…もう来ちまったのか。」 「???来たらマズいことでもあるのか?」 「いや、別に…」 「何だよぉ…言えよ!」 「…だって…希、すぐに変なとこ触ってくるしヤりたがるし…」 「え…そんなこと…………あるな。斗真かわいいもん。」 「そらみろ!偶には一人でゆっくり入らせろ!」 「えぇーーーーっ!やだぁ! 斗真と入りたぁーーーいっ!」 「…んだよ、そのダダのこね方…小学生か。 とにかく、俺はもう洗い終えたから出るぞ。」 「絶対、絶対、もう今日は何にもしないから! ね!ね!!ね!!!」 斗真は大きくため息をつくと 「大型駄犬…絶対手ぇ出すなよ!」 俺は大きく頷いて、湯船で斗真を抱きしめるべく、すぐにシャワーを浴びた…

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