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第3話
隣の家に幼馴染がいた。
小5の時に引越してきたそいつは、遠藤 希 。
ちっこくて、ふわふわの柔らかい髪の毛にぷくっとしたピンクの唇。
目もでっかくて、名前もそうだし、一見女の子に間違いそうなかわいい奴だった。
それでも誕生日も1日違いの同い年ということもあり、俺達はすぐに仲良くなった。
希を揶揄う奴がいたら年上でも関係なく、すっ飛んで行ってぶっ飛ばした。ちょっかいかける奴は目で殺した。
学校へ行くのもつるんで遊ぶのもずっと一緒。
好きな食べ物も、苦手な動物も一緒。
お互いの母親にもよく言われた。
「顔全然似てないけどあんた達双子みたいねぇ。」
俺は希の保護者みたいだった。
希はいつも申し訳なさそうに言っていた。
「斗真、ごめんね。僕がもっと強かったら、斗真を守ってあげれるのに。」
「いいんだ。希は俺が守ってやるから。」
「ふふっ。斗真、それって女の子に言う台詞だよ。」
「えっ?だって、お前…もう、いいじゃんか。
とにかく…お前は俺が守るんだ。」
そんな関係がずっと続いていたのに。
この先もずっと続くと思っていたのに。
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