目の前が霞んで、俯いた俺の目からぽたりぽたりと涙が落ちた。 口元から溢れそうな嗚咽を必死で堪えて、そのせいでますます身体が震える。 そんな俺の様子を少し離れたところから面白そうに眺めていた希は、くっくっと喉を鳴らして笑うと 「ふーん。泣くほど反省してるの？…そうだよねぇ。 …じゃあさ、許してあげる代わりに俺の言うこと何でも聞ける？」 …え？許す？言うことって… 戸惑い気味に顔を上げた俺に、希が言った。 「お前のせいでさ、俺、女を抱けなくなったんだよ。 責任取ってもらおうか。 俺が飽きるまで、その身体で。」 言うなり希に組み敷かれた。 身体がまともに動かないのとびっくりしすぎて抵抗する気力も体力もなく、至近距離の希の顔をただ見ていた。 全力疾走した後のように心臓がうるさいほど跳ねている。 「ふーん。抵抗しないのか。」 大きな目が近付いてきて、柔らかいものが唇に触れた。