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第19話
一体今、何時なんだろう。
ベッドサイドの時計を確認すると《19:45》のデジタル表示が…あの後、死んだように寝てたらしい。
昨夜から固形物を口にしておらず、さすがにお腹が空いて起き上がった。
あの嫌な頭痛はなくなっていたが、倦怠感がすごい。心なしか手が震えているような気がする。
自分を抱きしめるように両腕を絡ませてキッチンへ向かうと、冷蔵庫の中をチェックした。
タッパーには常備菜が数種類入っている。
元々マメな性格で一人暮らしが長いせいか、普通の女性よりも料理も得意で、一通りのものは作れる。なくべく外食を避けたいから、すぐに食べれるように作り置きをしているのだった。
冷凍室のご飯をレンジにかけて、インスタントの味噌汁を作るとゆっくりと食べ始めた。
これを食べ終えたら今日は何も考えずに眠ろう。
この身体のダルさと震えは、これから始まるであろう陵辱に対してなのか、俺の知らない希に対しての恐れなのか…
あの希は…いや、もう止めよう。
お腹が満たされると少しずつ体調が戻ってきた。
ゆっくりとお茶を飲みひと息ついた。
俺はこんなにメンタル弱い人間だったのか。
どんなことが起こっても、何でもソツなく対処してきたつもりだったのだが。
後片付けと洗面を済ませ、またベッドへ倒れ込む。
アラームをセットせずにただひたすら寝よう。
あれこれ考えるのは一旦止めて目を閉じると、突然あの日の希と今日の希が現れた。
思わずびくっとして跳ね起きた。
心臓がドキドキと激しく波打っている。
軽く触れた唇を思い出して身体が熱くなってきた。自然と右手が下半身に伸びた。
ダメだ、何やってんだ?
もう一人の俺が嗜 めるが、その手は動きを止めない。
ああっ
感じる部分を自分で責め立て、呆気なく達してしまった。
手に残る白濁の液を見つめ、激しく動揺したまま、俺はバスルームへと急いだ。
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