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第20話
翌日、いつもの時刻にアラームが鳴り慌てて飛び起きたが、休暇を取っていたことを思い出し、また布団に潜り込んだ。
今しばし、布団のこの温もりを堪能しよう。
昨日より随分身体も楽になっていた。
再びウトウトと微睡んで、目覚めたのはお昼頃だった。
もぞもぞと起き出し活動を開始する。
汗をかいた身体をシャワーで洗い流し洗面を済ませると、朝昼兼用のご飯を作るために冷蔵庫を漁る。
簡単にチャーハンでも…とその時、突然インターホンが鳴った。
こんな時に何かの勧誘か?
面倒くさい。無視するに限る。
ところが、鳴り止むどころかしつこく鳴らされる。
いい加減に腹が立って画面を見ると
希?
心臓が、ばくばくと音を立てて跳ね始めた。
どうして?何をしに?まさか、昨日の…
「…はい。」
「…やっと出たか。開けろ。」
有無を言わさぬ高圧的な物言いで、不機嫌な希が映っている。
仕方なくロック解除して招き入れたが、数分後にやって来るあの男の要求を思い出して、思わずゾクリと身震いした。
あの台詞が蘇る。
『退屈しのぎのオモチャ』
玄関のベルが鳴らされた。
ため息をついて鍵を開けると、当たり前のように部屋に上がってきた。
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