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第29話
希の右手が俺の竿に触れた。
びくりと反応したそれに、希はそっと軽く握ると擦り始めた。
そんなダイレクトに触られたら堪らない。
蜜は益々溢れ始め、滑りを良くしていく。
先端の小さな穴を抉られ裏筋を何度もなぞられ、手だけでイかされそうになる。
緩急をつけたその動きに、自分でするのとは全く違う気持ち良さに、危うく達しそうになるのを唇を噛んで耐え、息を吐いて逃れる。
そんな俺を欲情した目で見つめる希も、吐く息は熱くなり、興奮しているようだ。
俺の反応に気を良くしたのか、希の手の動きも激しくなり…我慢できなくて、希の手の中で白濁の液を放ってしまった。
はぁはぁと大きく息をして涙で潤んだ目で希を見上げると
「今からもっともっとイかしてやるよ。」
希は冷たい声音で言い捨てると、パチンとローションの蓋を片手で開けて、手のひらに垂らした。
そして、大きく俺の膝を割ると、濡れた細い指先を蕾に押し込んできた。
「痛っ」
好んで自分でさえ触れたことのない部分に異物が出し入れされ、それを押し出そうとする力と中へ誘導しようとする力がせめぎ合っていたが、次第に中へ中へと蠢いて導いていった。
なぜ?
どうして?
心で拒否しているのに身体は希の指を嬉々として受け入れ始めていた。
「ああっっ!?」
指が探るように中で動き、こりっとある部分に当たった瞬間、快楽のスイッチが入ったかのように、びくんと身体が仰け反り、そこから ぶわっと甘い痺れが走り声を上げてしまった。
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