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第31話

ショックだった。 希の言葉だけでなく、自分の身体の変化を目の当たりにして。 「…違うっ…俺は……あっ、あんっ」 反論する俺の声は、抽挿を再開した希の動きにかき消され、逆に甘い声に変えられた。 それを聞いた希は、乾いた高笑いをすると、しつこいくらいに角度を変えながらそこを擦ったりつついたり、徹底的に責め始めた。 「あっ、いやだっ…いやっ、ああっ、あんっ」 拒否する言葉とは裏腹に、嬌声が口から(ほとばし)り、勝手に腰が揺れていた。 希に縋り付くこともできずに伸ばしかけた手はシーツを(まさぐ)り滑るばかりだ。 脳髄が沸騰しそうになり、意識が朦朧としている。 俺の動きに満足した風の希は、今度は蕾を浅くスピードをつけて抽挿し、そのせいで ぐちゅぐちゅという水音が響いて、俺は羞恥の余りに耳を塞ぎ、ぎゅっと目を瞑った。 「ダメだよ、ちゃんと聞かなきゃ。」 両手を耳から外されシーツに縫い止められると、いきなりズンと奥まで打ち込まれた。 ひいっ まぶたの奥に星が飛び、希の形に変えられた俺の中は きゅうきゅうと楔を締め付けている。 身体の奥から、今まで感じたことのない快感が生まれ、そこから全身に広がっていく。 息を乱し涙を零してよがる俺に、希はますます快楽を植え付けていく。

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