71 / 1000
第71話
ふにゃりと笑った希は…その笑顔は昔と同じもので…
「あのさぁ…今まで怖がらせて泣かせた分、俺はお前をでろでろに甘やかしてやりたいの。
これでもか…っていうくらいに。
愛してるよ、斗真。」
背中からぎゅう っと抱きついて、肩に顎を乗せると頬をくっ付けてきた。
横並びの俺達が鏡に映っている。
うれしそうに微笑む希と、頬を染め戸惑い目が泳いでいる俺と。
「まだ『信じられない』みたいな顔してんな…
今から…しっかりわからせてやるよ。
俺を感じて…」
頬にちゅっ とリップ音を響かせたキスをされて抱き上げられたが、俺はまだ頭の整理ができないでいる。
そんな俺に希は、これでもかというくらいイケメンオーラを振りまいたまま俺の目を見つめ、
「愛してるよ」と繰り返しささやいた。
これは…何かの罰ゲーム?
未だに信じられない思いで、ふるふると首を横に振った。
夢?妄想?
俺の頭がおかしくなったのか?
目の前のずっと好きだった男が甘く蕩けるように微笑んでいる。
ベッドにそっと下ろされて、上から被さるようにして抱きつかれた。
「斗真…頭はまだ理解できてなくても、身体はもう俺を欲しがってるね。」
ともだちにシェアしよう!