74 / 1000

第74話

胸だけでなく脇腹や鎖骨の辺りも舐められ、時にその動きが止まり吸い上げられると、ピリッと痛みが走る。 それでも くすぐったくて身を捩ると、赤く跡の付いた肌をくるりと輪を描くように撫でられ、そこからまた じわり と弱い電気が走り抜ける。 一体いくつの赤いシルシが付けられたのだろうか。それに負けないくらいに俺の身体は朱に染まっていた。 愛おしげに見つめられ、撫でられ、頭が沸騰してどうにかなりそうだった。 希の瞳を見つめるだけで、挿入され続けるような快感が、下半身を直撃している。 再会して何度も重ねた肌は、今、焼け付くように熱い。 心の伴っていなかった今までの交わりと違い、『愛している』という言葉だけでなく、身体中で『お前が欲しい』と訴えられ、俺も『希が欲しい』と全身で叫んでいる。 「あっ、はぁっ、ああっ…あっ」 気持ち良くて、唇から嬌声が零れ落ちて止まらない。 どこを触られても身体の奥からじくじくと甘い痺れが湧いて溢れ、ずっと震えている。 こんな感覚… これが、心から愛する人とするセックスなのか… 「斗真…斗真…もう、離さないから… もっと、もっと、もっと…俺を感じて…」

ともだちにシェアしよう!