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第75話

甘く耳元でささやかれて、それだけでイってしまいそうになる。 ぶるりと身震いして 「希…好きだ、好き…愛してる…」 息も絶え絶えに、やっとの思いで口にすると 「当たり前じゃん、知ってるよ。」 とキスとともに、いとも簡単に切り返された。 俺に跨り、うっとりと髪の毛を撫で付ける希は、今まで俺を抱いていた顔とは全く違うオスの顔で… 「好きなら好きって言ってくれたらよかったのに…」 恨みがましく呟くと 「拗らせてたんだ。そんなみっともねーことできるかよ…」 と耳朶に噛み付かれた。 「痛っ!」 思わず泣きそうになって軽く睨むと 「お前の泣き顔…かわいい…」 「ばかっ!…はうっ」 ぺろりと噛まれたところを舐められて、また身体が跳ねる。 希は、俺さえも知らない俺自身の性感帯を知り尽くしているのか… 急に視界が反転し、うつ伏せにされたと思った時にはもう、膝を曲げ尻を高く上げた体勢になっていた。

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